赤ちゃんの頭のかたち外来

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当院の赤ちゃんの頭のかたち外来

私たちは「名古屋大学小児科」と「あいち小児保健医療総合センター小児脳神経外科」と連携し、お子様の頭のかたちを中心に発達・発育に悩むすべての親御様に寄り添います。

初診では、頭蓋縫合早期癒合症等の病気の検査を行います。頭のゆがみに対する矯正治療が必要と思われるお子様には最新の3Dスキャナーを用いて頭のゆがみ測定をし、必要なお子様にヘルメット治療を行っています。
※スキャナーは東海地区で唯一、全国でも当院を含めて3台しかない赤ちゃんの頭のかたちを測定する専用スキャナーを導入しています。

実績:
2022年4月より、赤ちゃんの頭のかたちに特化した「赤ちゃんの頭のかたち外来」を開設し、年間で1000人前後の頭のかたちに悩む赤ちゃんと、そのご家族に寄り添って参りました。

赤ちゃんの頭のゆがみについて

赤ちゃんの頭がゆがむ原因は、大きく分けて2つあります。
骨が早期にくっついてしまう「頭蓋縫合早期癒合症」に代表される病気によってゆがんでしまう「病的頭蓋変形」と、子宮内、お産時、向き癖など外部からの圧力を受けてゆがんでしまう「位置的頭蓋変形」があります。
まずは赤ちゃんの頭のかたちのゆがみが病気によるものか、病気でないものか適切な頭蓋健診を受けることが必要です。

当院の頭蓋健診について

当院では名古屋大学小児科教授の高橋医師と親子3代で愛知県をはじめとする東海地方のこどもたちを診察してきた三輪田医師が頭のかたちだけでなく、成長・発達に異常がないか診察致します。
その後、レントゲンを撮影し、長年東海地方の「病的頭蓋変形」の診断、治療、手術を実施してきたあいち小児保健医療総合センターの脳神経外科部長加藤医師と同センター脳神経外科の長倉医師が読影致します。※少しでも疑いがある場合は直接診察致します。

適正な頭蓋健診とヘルメット治療には、医師や看護師の自己研鑽も必要となります。当院のスタッフは定期的にヘルメット治療の研修会に参加しています。

ヘルメット治療について相談したい方は、当院が導入しているヘルメット「Qurum」のメーカーが運営する「赤ちゃんの頭のかたち相談室」に無料でご相談いただけます。
お電話、もしくは下記相談フォームよりご連絡ください。

病的頭蓋変形について

赤ちゃんの頭の骨は大人と異なり、いくつかの骨に分かれています。成人になるにつれて骨と骨がくっついていき、強固な頭蓋骨が形成されます。乳児期には脳が急速に拡大するため、頭蓋骨も脳の成長に合わせて拡大しますが、骨と骨が早期に癒合して成長を妨げてしまう場合があります。これを頭蓋縫合早期癒合症と呼びます。
早期に適切な診断、治療を受けないと頭蓋骨の正常な発育の障害や、頭や顔の骨の形態異常、手足の異常が起こる可能性があります。

位置的頭蓋変形について

位置的頭蓋変形は子宮内やお産時に頭が変形してしまったり、向き癖などにより圧力によって頭がゆがんでしまうことをさします。
位置的頭蓋変形のゆがみについては形に応じて「斜頭症」「短頭症」「長頭症」の3つに分けられます。

斜頭症

斜頭症(しゃとうしょう)は、後頭部が斜めにゆがんでしまい、左右非対称になっている症状です。
主な原因は、向きぐせや胎児期の子宮内環境による後頭部への圧力とされています。
ゆがみが進行すると耳の位置や顔面が左右非対称になってしまうこともあります。
そのような場合には、治療が必要になることもあります。

短頭症(絶壁頭)

短頭症(たんとうしょう)は、後頭部が丸くならず平坦になってしまう症状です。一般的に絶壁とも呼ばれます。
主な原因は、赤ちゃんが仰向けに寝ることで後頭部に圧力がかかることによるものとされています。

長頭症

長頭症(ちょうとうしょう)は、頭部が通常より縦に長く伸び、後頭部が著しく突き出ている症状です。
主な原因は、横向きに寝ることによって側頭部に圧力がかかることとされています。長頭症は、病気による変形の特徴と似ているため、注意が必要です。

頭のゆがみの予防方法

赤ちゃんの頭のゆがみ度合いを大きくしないために家庭でできる予防方法もあります。 頭のかたちについて少しでもお悩みの場合は「赤ちゃんの頭のかたち相談室」に無料で相談することもできます。

寝かせる位置の工夫

寝ている赤ちゃんに同じ方向を向かせないことで、片方の後頭部に圧が長時間かかることなく、変形もしにくくなります。
例えば
・授乳のたびに頭と足の位置を交互に入れ替えて寝かせる
・両親が話しかける方向を変える

まずは、寝ている赤ちゃんの顔の向きを観察してみましょう。

タミータイム

タミータイムは首座りの練習やうつ伏せ練習の方法として用いられますが、頭のゆがみを予防する方法としても有効です。
うつ伏せになることで頭にかかる圧力を防げます。
分娩施設から自宅に戻ったら、1日2.3回、3〜5分くらいからはじめてください。
保護者の監視下でおむつ替えの直後や、目が覚めた後に行いましょう。

※ 顔を動かすことのできない時期のうつ伏せ寝は窒息の恐れがありますので注意が必要です。寝かせる際は仰向け寝にしましょう。

ヘルメット治療

頭のゆがみが重度の場合は自然な形に戻るのが難しく、頭蓋矯正ヘルメットを使用しての治療が必要になります。

ヘルメット治療とは

生後2~6ヶ月がヘルメット治療開始の適齢期。なるべく早くご相談を。

ヘルメット治療とは、赤ちゃんの頭のゆがみを改善するために行われる治療のことです。赤ちゃんの頭の骨はやわらかいため、日常生活のちょっとしたことでゆがんでしまいます。こうしたゆがみを改善するために、頭蓋形状矯正ヘルメットをかぶることで、自然な頭の形に頭蓋骨を成長させていく治療が「ヘルメット治療」です。

頭蓋骨がまだやわらかい生後2~6ヶ月の間にこの治療を開始すると、より良い効果が得られるとされています。

ヘルメット治療で重要なこと

ヘルメット治療では「開始後のサポート」が重要になります。
赤ちゃん一人ひとりの成長や治療の進捗を見極め、適切なメンテナンスを施すために、経験豊富な医師とメーカーの協同が不可欠です。
メーカーの豊富なノウハウやデータにより、正確な診療を実現しています。

頭蓋矯正ヘルメット

当院ではジャパン・メディカル・カンパニーの日本製ヘルメットを用いてヘルメット治療を行います。
最先端3Dプリンタによる、強度と軽さを両立したヘルメットは、赤ちゃん一人ひとりに合わせた完全オーダーメイドで、日本人の骨格や、高温多湿な日本の気候を考えぬいた設計になっています。
13,000症例を誇るジャパン・メディカル・カンパニーのスタッフが常駐し、安心安全の医療サービスの提供をしております。

Qurum(クルム)

強度がありながらも非常に軽く、首が座っていない低月齢のお子様から装着できます。日本で一番軽いヘルメットで、手術後の治療でも使われています。 ヘルメット本体はもちろん、クッションの水洗いも可能で清潔な状態を保てます。
クルムについて

Aimet(アイメット)

3Dプリンターによって、一人ひとりのお子さまに合わせた完全オーダーメイドです。我が国初の国産品です。日本の気候、日本人の骨格を考えぬいた独自設計です。
アイメットについて

ヘルメット治療の流れ

Step1 レントゲン検査をする

レントゲン撮影により、病的な頭蓋変形(頭蓋縫合早期癒合症)でないかを確認します。

Step2 ゆがみレベルをスキャン

頭部全体を一瞬で撮影できる3Dスキャナー機器を利用して、頭の形状を測定・解析します。診察では、視診・触診だけでなく客観的な解析数値も参考にして、変形の診断と重症度を判定し、診察時の月齢を考慮した上でヘルメット治療の適応を判断します。

Step3 ヘルメットをつくる

3Dスキャナー撮影データをもとに、現在の変形した形から、矯正後の最終的な頭の形を想定したオーダーメイドのヘルメットを作成します。

Step4 治療スタート

治療申し込み時から2週間前後、ヘルメット装着開始。基本的には入浴以外の1日23時間、6ヶ月前後の装着を推奨しています(個人によって期間が異なります)。

Step5 定期的な診察

約4週間ごとに診察、装着から1ヶ月、3ヶ月、卒業時に3Dスキャン検査を行い、ヘルメットの装着状況や矯正による頭蓋変形を確認し、また頭の成長や矯正された改善度に合わせてヘルメットの再調整を行います。

Step6 治療終了

治療終了時期は、矯正された頭蓋変形の改善度、頭蓋成長の度合い、治療に必要な装着時間の確保の有無などを基に、専門医が判断します。

ヘルメット治療効果例

月齢が早く、装着時間も長くつけることができるとかなり改善効果が期待できます。※開始した月齢や、装着時間、成長の速度によって個人差がございます。

診療受付時間(赤ちゃんの頭のかたち外来)

祝日
午前 -三輪田医局※高橋※-----
午後 三輪田※-医局※三輪田医局※---

※小児科兼務

担当医師紹介

名古屋大学医学部小児科 教授

高橋 義行

名古屋大学大学院医学系研究科小児科学教授、日本小児科学会理事/ 専門医/ 指導医、日本血液学会専門医/ 指導医、日本造血細胞移植学会認定医
名古屋大学医学部小児科

名古屋大学脳神経外科名誉教授 ナゴヤガーデンクリニック理事長・院長

若林 俊彦

名古屋大学名誉教授、日本脳神経外科学会脳神経外科専門医/ 指導医、日本小児神経外科学会認定医

小児科

三輪田 俊介

日本小児科学会専門医、日本血液学会専門医、日本小児血液がん学会所属、日本造血細胞移植学会所属

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